ティムバートンのコープスブライド

観た。観たよ!なんだか素敵なものを見せつけられた気分。はじまってしばらくの間は、おお、いつものティムバートンの世界観、なんて具合で余裕しゃくしゃくでいたものの、物語が一気にドライブしはじめるあたり(観た人はわかるだろうけど、あの手を掴まれるところ)から、口はあんぐり、ただの子供みたいに夢中になって観ていた。きっと僕のとなりに小学生ぐらいの男の子を置いておいたら、寸分違わない同じ表情で、口をぽかーんと空けたまま観てたんじゃないかと思う。


それにしても、骸骨たちのなんと楽しそうなことか。劇中でビクターは途方に暮れていたけど、僕ならあっさりと、じゃあ死んでもいいか、と思いそうなところ。


冷静に考えれば作りも荒いし、展開も先が見え見えなところがあるんだけど、そんなものはこの映画の良さにとってはたいした問題でもない。コープスブライドの乙女ぶりやら、男前ぶりやら、ビクトリアの健気さのほうがどれほど大事か。そしてあの美しいエンディング。息をのむ、というよりは完全にノックアウトされてしまい、ふだんはあまり見ることのないスタッフロールが終わり、場内に明かりが灯るまで席に釘付けになってしまった。