ディスコ/ハウスとその歌詞について

I'm Caught Up
実のところ、僕がはてな界隈で一番楽しみにしてるのは、id:gotanda6さんのディスコ学(gotanda6さんが教授、僕は聴講生のつもり)のエントリで*1、自分も語りたい、とは思うものの、なかなかその知識の前にはおこがましくて自分のネタを出せない、と思っていたのです。でも、今日id:kokoroshaさんのこのエントリを読んでいて思うところがあったので、乱暴な話しながらちょっと小出しにしてみようと思います。
ココロ社さんはどうやら、<「love」と同じくらいの頻度で「music」という単語が出てくるところ>が気になっているようだけど、僕が気になっているのは、あまりにも多く歌われる「love」の方*2。クラブに遊びに行って、ふらふら踊ったり酒を飲んだりしていると、ディスコやハウスの歌詞には、どうもキメどころで恋の歌が多いような気がしていて、しかも大きく分類すると、「1:この愛は最高だ」系と、「2:行かないで(捨てないで)」系と「3:戻って来て」系のものばかりのように思える。
これはどういうことなんだろう?と一時期不思議に思っていたのだけど、ある日はたと気付いたのですよ。「そうか、DJがそういう曲を客に対するメッセージとして選んでるだけなのか」と。
午前2時とかのフロアに一番人がいる時間には「1:この愛は最高だ」系で演出、午前4時や5時の人が大勢帰る時間には「2:行かないで(捨てないで)」系で引き止め、とうに陽も昇った、午前8時9時の人数少ないフロアには「3:戻って来て」系で午前2時の雰囲気を取り戻そうと紛糾、と、一晩の流れがそれだけでできちゃう。これに気付いた時には僕は興奮して、(考えると馬鹿みたいだけど、)一晩中踊りもせずに歌詞ばっかり聴いてた日もありました。
つまり、何が言いたいかと言うと、クラブ・ロンリーなんていう名曲もありますけど、ディスコやハウスの世界で、一番の寂しがりやは客じゃなくてDJなんではないか、ということです。客はツラい現実から逃れるために、とか、一晩の楽しみを求めて、とか、女の子(場合によっては男の子)をひっかけるために、とか色々な目的を持って遊びに来るけど、DJは自分ひとりでそれを受け止めて、満足させて帰してあげないといけない。そのために、ある限定された恋の歌詞を使って、客に語りかけてるんだろうな、と最近は踊りに行くたびに思います。
なんだか言いたいことがとっ散らかっちゃったけど、ひとまずはこれで終わり。このシリーズはまた続くかも。

(追記)画像は「1:この愛は最高だ」系の最高峰、Inner Lifeの『I'm caught up』のジャケ。「どうせあなたは明日になれば今夜のことなんか忘れてこの部屋を出て行っちゃうから、私はこの恋に必死なの」という歌詞。クラブで明け方にこの曲を聴くと帰りたくなくなる。

*1:「そもそもディスコは宇宙をめざしていた」なんて話を読んだ時には、痛快すぎてガッツポーズが出ちゃうぐらい

*2:「music」とか「disco」という単語は、僕はシェルター(NYのクラブじゃなくて、単純な言葉の意味の)という意味として捉えてます