Moby / Hotel

rum2005-03-23

試聴:discographyから


突然ですけど、ホテルは好きですか?僕は大好きです。それが高級ホテル、安いホテル、ビジネスホテル、ラブホテルのどれであっても。部屋には最低限のものしかなくて、それでも一晩や二晩を過ごすには事足りる、どこか日常と切り離された感じが。それほど旅行好きではないので泊まる機会は多くないのですが、あのリラックス感を味わうために近所でもいいから泊まろうかな、なんてときどき思います。


これはその名もHotelという、Mobyの最新作。東芝の特設サイトによると、このタイトルの由来は以下の通り。

まず、ツアー中よくホテルに泊まるけれど、いつも不思議に思うのは、ホテルにチェックインして部屋に入ると、自動的に自分がその部屋に始めて入った人だと思い込んでしまう。
でも実は6時間前に同じベッドで誰かがセックスをしていたり、その前日には誰かが彼女と分かれ話をしていたり、またその前日はトイレを使ったりしていたことは分かっている。人と人との間の最も親密なことがホテルで起きているけれど、その人たちはとても遠い存在に感じてしまう。

なんだか、僕の切り離された感じ、という言葉にも近い印象ですね。もしかすると、ホテルに心惹かれる人は、皆こういう感覚でいるのかもしれませんが。


ちなみにこのアルバムは、1枚ものとボーナスディスクで『Hotel:Anbient』というアルバムが付いた2枚組との2種類リリースされているようです。『Hotel:Anbient』の方は純粋なアンビエント作品なので、あまり興味が無い人は1枚ものの方でも良いかもしれません。アンビエント側ではない『Hotel』は、Mobyのここ数作で最も幅のあるアルバム。アンビエントあり、ロックあり、ダンストラックありで、New Orderの"Temptation"のしっとりとしたカバー(最高!)まで入ってます。ゆったりとした曲でも、弛緩と押し殺したような緊張感が行ったり来たり。今年になって聴いたもののなかでもかなり上位に入る出来。
なんだかこのアルバムを聴いてたら、旅行に行きたくなってきた。むりやり理由を作って出かけようかな。