Tha Blue Herb / That's the way hope goes (2005, TBHR)

rum2005-08-01

ブルーハーブが鳴らす音楽は純然たるヒップホップであっても、BOSSが公言しているように、そこにはハウスミュージックからの影響が確かにある。それが最も如実に現れていたのはライブの構成においてだった。前半はフックを残しながらも曲を散らし、後半になるに従って熱が高まり、最終的には明確な目標点に到達する。僕は彼らのライブはこれまでに4,5回しか観ていないけど、そのどれもが曲が違えども構成は同じだった。しかも驚くべきことに、短い時は40分から50分、長いときには2時間以上に及ぶライブの間、音は止まず(トラックが流れていないときには声がある)、DJとMCが目を合わせたり、声を掛け合うこともない。完全なる調和。
そのようなライブを録り貯めていたものの映像化だからなのか、同様の効果を意図したからなのかはわからないけど、ブルーハーブの第2期を総括するこのDVDでも、ライブと同じような構成が成されている。前半はライブ映像にDJ KRUSHの証言やO.N.Oへのインタビューを挟みながら進み、やがて後半の鬼気迫るパフォーマンスへと繋がっていく。何気なくDVDを流すといつの間にか見入ってしまい、気付けば2時間20分余りの時間を経て再生終了、という恐るべき中毒性。ブルーハーブ好きはもちろん、ちょっと興味があるというレベルの人でも見たら引き込まれるんじゃないかな。エンドロールの後に流れる新曲(だと思う)も良い。