鳥飼否宇を読む

密林 (角川文庫) 非在 (角川文庫)
普段推理小説というものをほとんど読まないので、たまには何か読んでみようと、友人に薦められるままに鳥飼否宇を読んでみた。「密林」と「非在」。本当は友人に薦められたのは「非在」だったのだけど、間違って「密林」を買って帰ってしまったので、2冊立て続けに読むことに。漢字2文字のタイトル、なんて漠然とした記憶で本屋へ行くからだ。
推理部分はどちらも中盤から後半に差し掛かる頃に、うっすらと仕掛けに気付いて後はその確認作業だったものの、なかなか楽しく読むことができたので結果オーライ。何よりも面白かったのが、状況説明のための蘊蓄がところどころに挟まれるのこと。例えば、「ハブは0,003度の温度差までも検知できる」だとか、「オオサンショウウオは中国語にすると人魚」だとか。そんな情報ばかりなら何冊でも読めるんだけどな。この作家の他の本のタイトルを眺めると、「昆虫探偵」なんていう期待できそうなものもある。これも何かの機会に読んでみよう。