ナポレオン・ダイナマイト (バス男)

  バス男 [DVD]
各所で話題になってるナポレオン・ダイナマイトをようやく観た。なんてことない話をなんてことなく描いてるだけなのに、どうしてこんなに印象強いんだろう。こんな映画が劇場公開されていなかったのが残念でならない。これを映画館で観たならば、きっと終了後、満足感からしばらく立ち上がれないという、たまにしかできない体験ができたはずなのに。そんな思いに駆られた要因として、登場人物がことごとく魅力的、ということがある。苛められ、走るときには伸ばした腕を振らず、ライオンとトラのかけあわせのライガー、なんてものの想像図を書いちゃう、ダメの極地の主人公も、30過ぎで無職の兄も、過去に取り憑かれている叔父も、クルーカットの苛めっ子ですらも魅力的。音楽もまた良かった。シンディ・ローパーの"Time After Time"の切ないこと切ないこと。そして映画のクライマックスのあのダンスについては、なんだか語るのが勿体ないようにも思える。ダンスの曲のイントロだけでもノックアウトされそうになるほど。この映画はきっとこれからも繰り返し観るはず。"You know this boogie is for real?"