ナビスコカップ予選Aグループ第5節 vs浦和レッズ

土曜にあまりにふがいない試合をしたことで意気消沈し、スタジアムへ行くのを止めようかと思っていた浦和戦だけど、それでも試合の日が来ればまた自然と京王線の下り電車に乗車することになる。昨日は雨が降っていたというのに。まったく物好きなことだ。いつかどこかで、珍しいものをみたときに「こんなものを誰が買うんだろう?」と思ってしまったら、それはその人が買うんだという文章を読んだ記憶があるんだけど、それとまったく同じ心境。友人と、「あんな情けない試合をしているチームを誰が応援するんだよ?」「ああ、俺らか」と言い合いながらスタジアムへ向かう。
そして昨日の内容は決して悪いものではなかった。左SBにようやく怪我から復帰した金沢が入ったことで守備も安定し、ボールの収まりどころもできて、それなりに効果的な攻撃を作り出せていた。ただ昨日良い試合をできた一番の原因は、明らかに浦和が流し気味に試合を進めていたこと。決勝トーナメントへの勝ち抜けを決めた後の消化試合なだけに、中央の守備をしっかり固めて、無理をしないでプレイしようとしていたように見えた。東京の選手も必死でゴールを目指していることはわかるものの、どうにもフィニッシュまで結びつけられない。何度かあった決定的なチャンスも山岸に阻まれてしまう。どうにももどかしい試合。選手交代の気配もなかった。後半途中から控え選手がアップを中断しているぐらいだもの。交代しないならしないで
そのまま押し通せば良いのに、89分になってからカードを切るだなんて、本当に煮え切らない。勝ち越せていないホームチームが時間稼ぎのような交代を行うだなんて、いったいどういうつもりなんだろう。この試合の収穫は、金沢の復帰で左サイドが安定することを再認識できたことを除けば、今年のチームに自分が抱えている不満が、はっきりと「煮え切らない」という言葉で表せたことぐらいだった。


と、やりきれない思いのままの帰り道、いつものようにペーニャの集まりに顔を出してみると、皆表情が明るく、口々に「いやあ、今日は最高だった」と笑いあっている。まさかあの試合をこんな暗い思いで観ていたのは自分だけかと訊ねてみると、試合内容については僕と同じような感想らしい。皆の表情を明るくしたのはアマラオに会えたことだった。たまたま?観戦に来ていたアマラオにコンコースで遭遇して握手してもらったとか。挙句、「俺アマが監督だったらみっともない戦いぶりでも3年は耐えられる」だとか勝手なことを言って盛り上がっている。でも僕も耐えられるな。そう思ったときに、なんだか色んなことがクリアになったようにも感じた。監督との信頼関係。それがあったから去年のあの連敗の時期も乗り切れたわけだ。もちろん今年監督に就任したばかりのガーロにはまだ信頼が置けていない。さて、これからどうやって信用させてくれることやら。