Nicky Siano : Legendary Maestro DJ at LIQUIDROOM ebisu

rum2005-03-16

とにかく圧倒的だった。いったいどこから話し始めればいいのかもわからないぐらい。ニッキー・シアーノを伝説的なDJとして祭り上げてしまうには、あまりにも現役すぎた。70年代からずっとダンスフロアにいる彼は、見渡す限りフロアが笑顔で溢れているなか、誰よりも楽しそうに名曲をスピンし続け、誰よりも興奮しながらアイソレータを操作していた。
ニッキーは僕が到着してすぐ、20時過ぎに登場して、立て続けにBPM130を超えるぐらいのハウストラックを何曲かプレイし、そこから先は緩急自在。ゆったりとしたソウルから、ファンク、ディスコを経由して、90年代以降のハウスまでを行ったり来たり。普段であればBPM130近くの曲の後に、BPM90いかないぐらいのゆったりした曲をかけられてしまうと、一瞬で熱が引いてしまうこともあるのに、その点は伊達に30年以上DJをやっている訳ではないようで。逆にピッチを落としてくれることがいいアクセントになり、いつまでも踊り続けていられる不思議な仕掛け。おかげで音の聴こえない場所に出るのが勿体なくて、リキッドルームにいたほとんどの時間をフロアで過ごしてしまいました。


今日の印象を一言にまとめると、(ハウスミュージック好きにしか伝わりにくいだろうけど、)極上のパーティのアフターアワーズがいつまでも終わらなそうな感じ。一人一人が充分に踊れるスペースが取れるぐらいの混み具合なうえに、フロアの雰囲気もなかなか味わえないぐらい良かったし、実際終わって欲しくなかった。できるものならこれから毎週開催してほしい。少なくとも僕は皆勤賞貰えるぐらい通うから。


ちょっとでも今日の雰囲気をわかってもらうために、彼が今日かけていた曲で、今すぐに思い出せる曲を並べてみます。Eddie Kendricks "Date with the Rain"、Aretha Franklin "Respect(のよくわからないリミックス)"、Double Exposure "My Love is Free"、Dorothy Morrison "Rain"(最高の1曲!)、Harold Melvin & The Blue Notes "Bad Luck"、Ben E King "Stand by Me(のハウスミックス?)"、Stevie Wonder "It's A Shame"、Rhythim is Rhythim "Strings of Life"、Geraldine Hunt "Can't Fake The Feeling"、MFSB "Love is the Message" "TSOP"などなど。
このなかでも、"Bad Luck"の次が"Love is the Message"だったときには、そのあまりの意味の濃さに涙が出そうでした。まだまだ知ってる曲は流れてたはずなんだけど思い出せない。これだけ思い出せただけでもまあいいか。


画像はパーティの終盤、ニッキー・シアーノの50回目の誕生日(18日ですって)を祝うために出ていた映像。これを見てびっくりしたんだけど、まだ50回目?70年代にGalleryで活躍していたときはまだ10代からはたちそこそこだったってこと?恐ろしい。