V.A. / MAESTRO (2005, Pony Canyon, 試聴)

rum2005-07-20

映画『MAESTRO』のサウンドトラックが、映画製作から2年、日本公開から1年を経ているというのに、なぜか今頃になってのリリース。しかも、発売日である本日7月20日は故ラリー・レヴァンの誕生日である、という仕込みつき。日本盤はミックスとアンミックスの2枚組、US盤はアンミックスのみの1枚もの、しかも収録曲は一部異なる、とそれぞれ内容が大きく違うようだけど、僕が手に入れたのは日本盤。
アンミックスの2枚目を聴いていても充分楽しいのだけれど、それよりももダニー・クリヴィットの手によってミックスが施されている1枚目は、まさに一夜のパーティーを体現したような会心の出来。夜の始まりはゆったりとねっとりとしたファンクミュージックに導かれ、夜が更けるにつれフロアには物言わぬダンサーが集まりいつまでも夜が続くように踊り続け(Move your bodyの境地!)、やがて夜が明ける頃には開放感溢れるソウルミュージックがその夜の最後まで辿り着いた人々を祝福する、という最高の夜の流れがありありと蘇ってくる、76分間のショートトリップ。僕は体験できなかったけど、パラダイス・ガラージやギャラリーやサンクチュアリやギャラクシー21やらの伝説的な店では、こんな夜が数えきれないほどあったんだろうな。そう、あの映画のメッセージも、その空気感をいかに今に語り継ぐか、ということだった。大丈夫、しっかり伝わってますよ。