曽我部恵一 / ラブレター (2005, Rose, 試聴)

rum2005-07-21

Rose Recordsで先行予約すれば発売日前に届くだけではなく、予約特典としてライブCDが付いてくる、ということで申し込んでいた曽我部恵一のニューアルバムが届いた。昨年から『ストロベリー』『青い車』『Sketch of Shimokitazawa』と、この『ラブレター』と、1年で4枚もの尋常ならざる仕事量。これだけの枚数をリリースしていれば、制作に時間をかけていないのも当然のように、アレンジはシンプルで音質もどこか荒い。しかしそれがクオリティに悪影響を与えているかといえば、そういうわけでもなく、むしろ「うた」に焦点が当って、良い影響を及ぼしてるんじゃないかと思えるのが不思議なところ。昨年ライブで聴いて度肝を抜かれた"きみの愛だけがぼくのハートをこわす"がようやく収録されたのも嬉しい。だってこの曲、歌い出しが、『ぼくはきみのこと好きだよ きみはぼくのことが好きかい?』だよ?30もとっくに過ぎた、見た目麗しいとはとても言えないおっさんがそんなことを歌ってるなんて、明らかに正気の沙汰じゃないもの。もう降参するしかないですよ。他の曲もこれまでに10枚以上のアルバムをリリースしてきたベテランとは思えないような直球の歌詞とメロディ。この人はそのうちに、いかれてる、とかを飛び越えて、聖性すら帯びてくるんじゃなかろうか。高校生のときにサニーデイ・サービスを初めて聴いてから、もう10年も経っちゃったけど、今がいちばん恐ろしい。