Nicky Siano "The Legends" @LIQUIDROOM EBISU

rum2005-10-31

昨日はサッカーに勝利した後の祝宴もそこそこに、リキッドルームへ駆けつけた。3月に夢のような体験をさせてくれたニッキー・シアーノのまさかの再来日。前回があまりにも良すぎたので、今回はほどほどに楽しめればいいや、というのが正直なところだったんだけど、それは甘く考えすぎていた。さっきまであんな狂乱の最中にいたのに、どうしてここまで高みに昇れるんだろう、と思うほどのいいパーティ。またしてもフロアの雰囲気が最高だった。音楽に熱心で、暖かいムードに溢れ、笑顔が絶えない。ブレイカーが軽妙なステップを踏んでいたり、興奮して手を叩き合う人達がいたり、両手を広げ天を仰いで曲に酔いしれる人がいたりと、良いパーティを形作るために必要な人々がしっかりと集まっていた。


そして音楽。前回はソウルからクラシックスやディスコを基本線にハウスまで、といったところだったけど、今回はファンキーなハウスを中心に、時折クラシックスやディスコが混じっていた印象。ディスコブレイクスのような曲もところどころでかけていた。相変わらず"Love is the message"の暖かさに涙がこぼれそうになったり、フルサイズで聴く"Ain't no mountain high enough"の境地にくらくらしたりしながら踊り続ける数時間。


夕方から始まったパーティも気付けば日付が変わり、そろそろ終わりかな、まだ帰りたくないな、と思い始めた頃、流れていた曲が終わり、暗かったダンスフロアが明るくなる。名残惜しさはあるものの、いいパーティだったと拍手を送っていたら、少しの間を置いて流れ始めた曲はなんと、Underground Ministriesの"I shall not be moved"。離れたくない気持ちを歌った、畳み掛けるようなゴスペルのコーラスと、Kenny Bobienの切ないファルセットが絡み合う(僕にとって)ハウスミュージックの最高峰。こんなタイミングでこんな曲を聴かされて、泣くなというのが無理というもの。最近とある人から君は泣き過ぎだ、と言われていたのですが、まんまとまた泣きましたよ。泣き笑いで最高の気分。この一曲だけでも来た甲斐があったというところなのに、次にかけられたのがSpinnersの"It's a shame"だなんてね。本当にやられた。そんな、はじめから全部わかってたなんて顔をしなくても。もう疑いませんよ。ほどほどに楽しめればいいやなんて言わないから、また東京に来てください。できれば今度もリキッドで。