Arab Strap / The Last Romance (2005, Chemikal Underground, 試聴)

rum2005-11-02

グラスゴーのインディー・ロック・ユニット、アラブ・ストラップの通算6作目。これまではチープなドラムマシーンの音の上で、ぼそぼそと陰鬱な歌を歌っていたはず(そしてそれがたまらなく良かった)なのに、今作はいったいどうしたことか、全編に渡って生楽器での録音。おかげで一聴したときに、まさかアラブ・ストラップだとは微塵も思わなかった。このアルバムが流れていたお店の人に、アラブ・ストラップの新作と教えられて驚いたほど。
注意深く聴けば、これまでの彼らの音楽との共通性を見出すこともできるし、実際いままでと同じような曲もあるけど、それよりも、今作に漂っている柔らかで華やいだ雰囲気に耳を奪われてしまう。何作か前で、アルバム1枚を通して別れた女への恨み節を歌い通した人達の作品とはとても思えない。なんてったって、タイトルが「最後のロマンス」だもの。なによりも、最終曲"There is no ending"がもたらす多幸感といったら!