サンボマスター / 全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ (2005, Sony, 試聴)

rum2005-11-06

こんな話を友人から聞いたことがある。「タンバリンってさ、希望を鳴らす楽器なんだよ。しゃらしゃら、って振ってるときに希望をチャージして、すたーん、と打ち鳴らすときに希望を振りまくんだわ。」 白面の頭で考えると、どこか常軌を逸した発言だけど、その話を聞いてたときはいささか泥酔していたこともあって、なるほどなあ、と変に納得した覚えがある。たぶんユニヴァーサル・ロボット・バンドの"Dance & Shake Your Tambourine(→試聴)"かなにかを聴いているときにそんな話が出たような気がする。この話を聞いたのはもう何年か前のこと。すっかりこんな話のことは忘れていたというのに、このシングルを聴いていたら、突然ありありと記憶が蘇ってきた。
きっとそれは、表題曲の「全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ」でタンバリンは心の闇や心の声を鳴らす楽器として扱われ、日本産珠玉のソウルクラシック「あの鐘を鳴らすのはあなた」とカップリングされていることが原因だったんじゃないかと思う。表題曲はサンボマスター特有の切迫感は残っているものの、ハモンドオルガンの柔らかな音に導かれた、どこか穏やかでな雰囲気すら感じさせる、祝福のソウルミュージック。迷える駄目な男どもはみんな聴いたほうがいい。サンボマスターと「あの鐘を鳴らすのはあなた」の組み合わせが最高なことに至っては言うまでもない。