The Flaming Lips / At War With The Mystics (2006, Warner, 試聴)

rum2006-03-23

この日を今か今かと待ち続けた、フレイミング・リップス4年ぶりのニューアルバム。正式なリリース日は4月の頭だけど、先行して聴くことができたので急ぎレビューする。今回もこのバンドについては良い意味で、相変わらずという言葉がよく似合う。音の細部にまで行き届いた気配りと、ねじくれたポップぶりが混在。いつかどこかで聴いたようでもあり、いままでまったく聴いたことがないようでもある曲達が織り綴られている。そのなかでの白眉はアルバム最終曲の"Goin' On"。ウェインのかすれたような、大切な子供に語りかけるような声で歌われる、ゆったりとした名曲。それまでの曲がポップでいながらもどこかに毒を持っているものばかりだったのに、この曲に関しては刺々しい言葉や音がまったくない。言うなれば大人のための子守唄。こんな曲を隠し球のように最後に見せつけるんだから、フレイミング・リップスにはいつも夢中になってしまうんだ、きっと。