PLAYLIST08 "Sweet Sticky Things"

この間作ってみたプレイリストを公開。今回はとある人に触発されてソウルだけに限定してみた。ソウルに限定して曲を選んでいると、どうしても気付かされる、"free soul"シリーズと、MUROのミックステープ"King of Diggin'"シリーズの凄まじさ。外した選曲をしてみようと思っても、調べてみると、「やっぱりこの曲も・・・」なんてことがたびたびあって、途中からは諦めて気にせずチョイス。どの曲も何回聴いたかわからない珠玉のものばかり。こういう音楽を聴いていると、もう新しい音楽なんて聴かなくてもいいかも・・・という妙な考えが時折頭に浮かぶのが恐ろしい。

  1. Betty Wright / Clean Up Woman
  2. Alton McClain & Destiny / Crazy Love
  3. Honey Cone / If I Can't Fly
  4. Carol Douglas / Lie to Me
  5. Sister Sledge / You Fooled Around
  6. B.T. Express / Does It Feel Good
  7. Minnie Riperton / Perfect Angel
  8. Ohio Players / Sweet Sticky Thing
  9. Kanye West / We Can Make It Better
  10. NYCC / I'll Keep My Light in My Window
  11. Eddie Kendricks / He's a Friend
  12. Gloria Gaynor / (If You Want It) Do It Yourself
  13. Thelma Houston / It's Just Me Feeling Good
  14. Gerald Hunt / Can't Fake The Feeling
  15. Stephanie Mills / Never Knew Love Like This Before
  16. Harold Melvin & The Blue Notes / Bad Luck

Theo Parrish @ yellow

2ヶ月以上のブランクを経てあっさりと更新。というのも、11月25日、この日のセオ・パリッシュが圧倒的すぎたことをどこかへ記録しておきたかったから。所用のため長い時間聴くことは叶わなかった(それでも4時間以上は聴いたのかな)けど、それでもすべてを投げ打っても構わない、と思えるほどの素晴らしいDJプレイだった。言葉にすることであの音楽、もとい体験を表現できるとは到底思えないけど、おぼろげにでも印象を残せるならそれで構わない。
この場合、音楽そのものについて語るよりも、その夜に感じたことをそのまま羅列した方が、より相応しい記述になるような気がする。まず、踊り始めてしばらくした頃、普段クラブに行くと、朝までずっとアルコールを飲み続ける僕が、アルコールを飲むことを控えた。喉の渇きを癒すためにドリンクカウンターへ行くことも、トイレに行くためにフロアを離れることも煩わしく思えたから。ただただ、フロアで流れる音楽に浸っていたかった。ただしそのフロアは、明らかにキャパシティをオーバーした混雑ぶりで、ステップを踏むための充分なスペースもなく、挙句、騒げればなんてもいいような、質の良いとは言い難い客が多い状況でもあった。それでもそんな小さなことに心を惑わされる余裕なんてなかった。柔らかで儚げな、ゆったりとしたハウスからマッシブなビートのハウス、テクノ、ディスコを通過し、ファンク、R&Bに留まらず、ロック、ジャズまでを飲み込んだ、すべてのダンスミュージック/ブラックミュージックを数珠繋ぎにする、その一連の流れを聴き逃すまいと必死だったから。
セオ・パリッシュのDJを聴くのはこれで何度目だっけ?3度目?4度目?いずれにしてもそれほど多くは聴いていない。しかもこれまで聴いた機会では、帰りがけにちょっとだけ、とか、一緒に出かけた友達との会話に夢中でほぼラウンジに滞在、だとかで、しっかりと腰を据えて(って、本当は踊りながらなのにおかしな表現だなあ)聴く機会に恵まれていなかったことが悔やまれる。この日だって本当はもっと長く、願わくばラストまで聴いていたかった。次回こそは。

Summer never ends

rum2006-09-08

いったいどういうわけか、ここ一ヶ月ほどまったくレコード屋やCDショップの類に足を踏み入れていない。こんなことは自発的に音楽を聴くようになってから初めての体験。しかも、決して音楽に対して情熱がなくなったわけでもないのに。今年の夏はいままでと遊び方がちょっと変わって、キャンプに行ってみたり、海辺のパーティに足を踏み入れたり、知人の車に乗り合わせて、遠方までサッカーを観に行ったりと、東京にずっといたわけでもないからだろうか。それでも音楽は常に傍らにあった。良い音楽との出会いはいくつもあったし、友達と最高のレコードについて語らいあったりもした。(iTMSなんかではそれなりに買ってるとはいっても)それでもレコード屋へ出かけない、というのは、ようやく音楽に対して肩肘を張って構えて接する、ということがなくなってきた証とでも考えれば良いのかな。そうならば嬉しいことなんだけど。


最近良く聴いている、やけのはらのミックスCD"Summer gift for you"は、そういった音楽が生活に融け入っている状況に相応しい、最高の逸品。方向性にブレのない、研ぎ澄まされた音楽も良いけど、実際の生活の中にある音楽は、ディスコもソウルもヒップホップも、井上陽水ゲイシャガールズも並列だったりしますよね。その感じがよく出ている。弛緩や拡散と言ってしまえば聞こえはいいけど、悪く言えばだらしがなかったり、しまりがなかったりする、そういった過ごし方が心地良く感じる季節のためのミックス。夏ってこんなふうに過ぎて行くよな、ということを夏の終わりに思い出させてもらった。

J1第18節 : vs ジェフユナイテッド市原・千葉 @ フクダ電子アリーナ

まさか一週間前には、こんな気分で次の試合を終えられるだなんてまったく予想していなかった。当日の試合前ですら、戦う気持ちさえ見せてくれれば御の字だと思っていたというのに。
ここ最近の不調や、先週の浦和戦での大敗を受けて(漏れ伝わってくるところによると、それ以外の理由も大きいらしいけど)、前監督が解任され、新監督となって迎えた緒戦。東京は見違えるようなチームになっていた。いや、本来あるべき姿に戻った、と言ったほうが適当か。労を惜しまないチェイス、献身的なプレス、セカンドボールへの食らい付き、サイドへの展開、そういった、ここ最近の試合から失われていたものが一斉に帰って来たようだった。しかも、急がずにすむ局面ではゆっくりボールを回しながら相手の隙を狙う、といったように、前任監督のもとで過ごした半年間が決して無駄ではなかったということまで見せてくれるんだから、嬉しいこと極まりない。
ただ、昨日の試合ですべての心配事が解消されたか、と問われれば否定せざるを得ない。ディフェンスの受け渡しは怪しい箇所が多かったし(だから3点も獲られるんだけど)、逆転した後に試合を落ち着かせることもできなかった。それでも、あの戦いぶりを見せてくれるのなら満足できる。例え昨日の試合で同点に追い付かれたまま試合が終わっていたとしても、いや、それ以前に同点に追い付くことができなかったとしても、きっと試合後には、同じような拍手ができていたんじゃないかと思う。ああいう積極的な試合が観たかったんだよ。おかえりなさい、「俺の東京」


と、ここまで冷静に振り返ってはみたけど、試合中はそんなことを考える余裕もなかった。立て続けの2失点に打ちのめされながらもなんとか声だけは出し続け、ルーカスのゴールには飛び上がり、赤嶺のゴールに吠え、石川のシュートが決まった直後には記憶が曖昧になり、阿部の決勝点には誰彼構わず抱き合って喜んでいたもの。皆似たような思いをしてたんだなということは、一緒に試合を観ていた友人の涙や、試合が終わった後に集まった友人達の晴れやかな顔からよくわかった。あとはこの勢いが一時のものではなく、永続してくれることを願って。

J1第17節 : vs 浦和レッズ @埼玉スタジアム

この試合をもって遂に今年のリーグ戦も折り返し、だというのにチームの骨格はまるで見えず。というよりは、昨年まで持っていた骨格をずたずたにしたうえ、そのまま放置されているような状態。堅守、速攻、サイド攻撃のいずれも見る影無し。いつもならば苛々させられるレッズ側の「東京、東京、くそったれ」のコールも、「ああ、ほんとにそうだよね」と納得されられるばかり。
思い返せば、開始5分の失点で早くも勝負は決まったようなものだった。ウイングバックの裏のスペースを突かれた際の対応が、センターバックがアタックしてボランチがフォローするのか、ボランチがアタックしてセンターバックはあくまでも中を固めるのか、という基本的な約束事すらない。挙句、インサイドに絞りすぎているディフェンダーの大外を使われて失点という、今シーズンが始まってからうんざりするほど見てきた流れ。それが一度ならばまだ救いはあるものの、その後も何度か同じようなパターンからピンチを迎えていた。監督は失点の後に気持ちが沈んでしまったことが原因、と言っていたようだけど、それ以前の問題。もう我慢も限界。替えて、あの監督。


あまりの惨状に呆れて、試合終了前に席を立ったんだけど、そういえば試合の途中で帰るだなんて、東京の試合だけじゃなくて、サッカー観戦すべてをひっくるめてもいままで経験がないや。それでも来週は千葉まで観戦に出かけるんだろうな。物好きにも程がある。

日本 vs トリニダード・トバゴ @国立霞ヶ丘競技場

代表の試合を生で観るのは何年ぶりか。ジーコが監督になって以来、とんと生で観る気をなくしていたので、ひょっとしたら4,5年は経っているのかもしれない。(就任の経緯にはいまだ納得はいかないけど)オシムが監督になってくれたことはありがたい。また僕の足を代表戦に向けてくれただけでも。そんなことを考えながら試合を眺めていたせいか、ほとんど内容や詳細は覚えていない。ただ、連動して崩す、ということが短い合宿の間にでも染み付いたような、選手達のプレイを観ていることはとにかく楽しかった。そう、日本はああいうサッカーをしなきゃいけないよね。途中からダレ気味だったとはいえ、今後に大きな期待を持てる試合だった。他に覚えていることはといえば、友達とビールを飲みながら笑いあったこと、アレックスの調子が良いのを見て、「週末の浦和戦のときもあの調子だったらどうしよう」と一緒に観ていた東京ファンの友達と脅えたこと、ひさしぶりに見た山瀬が、遂に調子を取り戻しているように思えたこと、トリニダード・トバゴの応援団のスティールパンの音色が心地よかったこと、そのぐらいかな。今日はとりあえず、代表戦を喜びを持って眺められる、そんな時間が帰ってきたことだけでも喜びたい。


せっかくなので帰りの川淵会長解任デモについても簡単に触れておこうか。150人規模のデモ、と報道されていたけど、実際に集まった人数はその3倍から4倍程度かな。ほとんどネットだけでの告知なのに、これだけの人数が集まったことだけでも驚いた。参加者は服装から判断する限り、東京をはじめとして、浦和、マリノス、ジェフなど、近郊のJリーグチームのサポーターが中心。考えてみれば当然のこと。ジェフはもちろん、今回の成り行きを許していたら、いつその災厄が自分のチームに降り掛かってくるかわからないもの。そのせいか、各チームのチャント(のメロディ)を取り入れながらのデモ行進となった。しかも、至って平和的な。この行動がどういった結果に結びつくのか、はたまたどこにも繋がらないのかはわからないけど、とにかく声をあげ始めただけでも意義はあったんじゃないかと思う。また必要があればいつでも声はあげるし、どこにでも出かけて行く用意はある。なんなら代表戦のたびに開催したっていい。帰り道で見た月は、うっとりするほど綺麗だった。

J1第16節 : vs サンフレッチェ広島

久しぶりの味スタ開催だというのに酷い試合。疑念がぬぐえない人選のスタメンはやはり機能せず、選手交代も当たらない。そして出場している選手も、まったく工夫が見られない、淡白な試合運び。ほんのいくらかは良いシーンもあったけど、全体の印象を覆すほどでもない。それほど良い出来とも言えなかった広島に対して、成すすべなく完敗。


今考えると前兆のようなものだったのか、そうなることを察知していたのか、僕の周りの人々の行動もおかしなものだった。普段はどんな試合であってもゴール裏で声をからしているはずの知人が、応援する気をなくした、と言ってバックスタンドの僕の席の近くに移ってきてしまっていたり、冷静な批評こそすれど、試合を投げ出すような言動をすることのない友人が試合中に帰り支度を始めていたりと、試合中からいつもの負け試合とは違う行動を取りはじめていた。


そして試合終了後、起こるべきことが起こるべくして起こった。バックスタンドから発せられるブーイングの声量がかつてないものであることに、ブーイングしている僕自身が驚いている頃、ゴール裏の方向から聞こえてきた耳馴染みのあるコール。「ハラットーオキョー!」あまりに愛された前任者を讃えるコール。チームの現状にNOを突きつけるのに、これ以上厳しいものはない。最終手段と言っても過言ではない。あれで状況が改善されなかったら、他にサポーターが取れる手段はあるんだろうか。そう考えると気が気でない。2週間の中断期間で良い方向に向かってくれるといいんだけど。